爆走ハラスメント 〜俺様!?生徒会長と美人先生の恋
こんなに震えて、泣いて。ほんと、普通の女の子じゃん。


センセ…可愛い。


俺は雅香センセの前髪を掻き分けると、額(ヒタイ)にキスをした。


「もうっ!浜松君、全然分かってないじゃない!」


俺の腕の中で、雅香センセが下を向いたまま怒りだした。そりゃそうだ。


しかたなく俺は雅香センセから離れた。…残念。


いやいや、そうじゃないでしょ、俺。これ以上雅香センセに迷惑かける気かよ。


何抱き締めちゃってんのよ?生徒と教師でしょ。


冷静な俺が、今までの俺を突っこんだ。


雅香センセの涙は、止まったようだった。でもまだ下を向いてハンカチを顔に当てている。


俺は先生の髪を撫でながら、なんとか理由を考えた。出てきた言葉は、自分でも驚くほど優しい声だった。


「俺って、人として、泣いてる人は放っておけないタチなんですよ。」


やばい!説得力ないくらい、あま〜い声じゃなかったか?


俺、こんな声出んの!?出すなよ!!つうか、額にキスはマズかったか。全てが言い訳にしか聞こえねぇ。


これじゃあ、誰にでもキスする奴みたいじゃん!
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