爆走ハラスメント　〜俺様！？生徒会長と美人先生の恋
頭を上げると、雅香センセは顔を赤くしていた。よく見ると、目に大粒の涙を溜めて、こぼれないように我慢している。


ドキ。


可愛い…。


「ディラン、ちょっとそこの時計見てて。」


「なんで？」


「良いから。後でラーメンおごるから。」


「分かった。」


ディランが時計を見たので、俺はハンカチをポケットから取り出して、雅香センセに渡した。


「村上先生に、いっぱい怒られたんだよね。俺のせいで…ごめん。」


いつも大人の人だと思っていたけど…涙を我慢している雅香センセが、頼りないか細い女の子に見えたんだ。


俺は、雅香センセの頭と肩に手を添えると、そのままそっと抱き寄せた。


雅香センセは細い肩を震わせると、俺のハンカチに顔を埋めて泣いた。


こんな時くらい、俺に　もたれかかってくれても良いのに。


…そっか。俺が生徒で雅香センセは先生だからか…。


俺を頼るわけにはいかないんだね。他の先生に誤解させちゃうんだね。


他の先生達は俺を頼れるのに、雅香センセだけは頼れないなんて、ずりぃよ。


って言うか…俺、雅香センセにだけ頼られたいよ。
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