森の王子様。
「王子様、会いたかったの。
そこの切り株でお祈りしてたんだよ。
約束、守ってくれたのね?」
と、女の子は、王子様に抱きつきました。
「もちろんさ。ありがとう。僕も会いたかったよ。」
王子様は眩しいばかりの笑顔を見せました。
「いつも、歌を歌っているのは、あなたかい?」
王子様はたずねました。
「家に帰る時に、いつも動物さんたちと、歌って帰るの。」
と、女の子は言いました。
「そっか。とってもお歌が上手なんだね。」
と、王子様は、女の子の頭をなでなでしました。
「王子様…。私、王子様の事が好き。
好きなの。
だから、私を王子様のお姫様にしてくれる…?」
と、女の子はお顔を真っ赤にしてたずねました。
王子様はにっこりと笑って、
「嬉しいなあ。僕も、お嬢さんの事が好きだよ。
でもね、お嫁さんには出来ないなあ。」
と、しゃがみながら言いました。
王子様のブルーの目が、とっても綺麗で、
ビー玉のようでした。