森の王子様。
「何で…?何でなの?」
女の子は王子様のお洋服の裾を引っ張りながら
尋ねました。
「お嬢さん、何歳なの?」
と、王子様が尋ねました。
「私、7つ。7さい。」
と、女の子は言いました。
「何で?私のお家は貧乏だから?」
「ううん。そんなことない。
違うよ。」
王子様はゆっくりと首を横に振りました。
「じゃあ何で?
私がまだ小さいから?」
女の子は泣きそうになりながら、
王子様に聞きました。
「僕、そろそろ帰らなくちゃいけないんだ。
また、会えるといいね。」
と、立ち上がりながら、にっこりと笑っていいました。
王子様は、そのまま、白いお馬さんに乗って
帰っていってしまいました。