森の王子様。
森の住人たちは、何とか日の出前に
戻ってくることが出来ました。
女の子の家の前に立ち、みんなで待ちます。
日の出と共に、女の子は家の中から出て来ました。
下を向いたまま、元気がないようです。
森の住人たちは、
取ってきたものを女の子に渡しました。
「なあに?これ?」
女の子は尋ねました。
すると、ハチドリさんは、ブンブン、と話しました。
「えっ!?これを食べると…?
そうなの…?」
目をまん丸にした女の子は、
貰ったものをひとかじりしました。
まん丸で、真っ赤な、つるつるとした果実。
「甘くて、おいしい!」
すると、その瞬間、
女の子は
ぐんぐん、ぐんぐん、大きくなりました。
「すごいっ!みんな、ありがとう!」
女の子は、とびっきりの笑顔で喜びました。