森の王子様。
悲しいの
草をみんなで摘みました。
そして、みんなで切り株の周りに立ち、
「今日も王子様に会えますように。」
とお祈りしました。
すると、ガサガサと音がしました。
振り返ると、そこには、王子様が、立っていました。
「こんにちは。
あなたは…前にお会いした事がありますね?」
と、言って王子様はこちらに近づいてきました。
「初めてお目にかかるようだけど、違う。
以前に会った気がする。」
王子様はニッコリ笑った。
「はい…」
恥ずかしくなった、女の子は、下を向いてもじもじ。
すると…
しゅるしゅる…
女の子は、もとの小ささに戻ってしまいました。
「やっぱり、あなたでしたね。」
そういって、女の子の手をそっと、握りました。
「せっかく…大きくなったのに…。
お嫁さんにしてもらおうと思ったのに。」
女の子は、べそをかきながら言いました。