森の王子様。
「僕が、王子様なんだよ。」
と、男の子が言いました。
「本当に…?」
女の子は目をまん丸くして、尋ねました。
「うん。これが本当の、僕さ。」
と、言いました。
確かに、綺麗なお顔、
つやつやの髪、
太陽のような笑顔、
王子様と同じです。
「僕は、魔法の果実を食べて、散歩してたんだ。
大人になってみたくて。
でも、魔法の果実って、時間が限られてるでしょ?
だからこうして戻ってしまうのを
防ぐ為に、いつも早く帰らなきゃならなかったんだ。
本当は、君とずっとおしゃべりしていたかったのにね。」
と、男の子は言いました。
「そっかあ!
だから会った事あるような気がしたんだあ!」
と、女の子は言いました。