森の王子様。
「僕が、結婚出来ない、って言ったのも、
魔法の果実で体は大きくなっても、
すぐまた元に戻ってしまう。
僕はまだ小さいし、君もまだ小さい。
だから、結婚出来ないって言ったんだよ?」
と、男の子は言いました。
「そうだったんだ!なぁんだあ!」
女の子はケラケラと笑いました。
「本当の僕を見てもらうために、今日は魔法の果実を食べないで
来たんだよ。
びっくりしたかい?」
男の子は尋ねました。
「うん、とっても!
でも、良かったあ!
私、王子様に嫌われたのかと思っちゃったんだもん!」
と、女の子は言いました。
「嫌ってなんかないさ!
僕は君が大好きさ。
君を初めて見た時から…いや、歌を聞いた時から
恋していたんだ、君に。」
男の子はそういって、そっと、女の子の手を握りました。
女の子はお顔を真っ赤に染めました。