Precious days
新学期
雪が溶け、暖かくなり始めた頃、私達は高校生活3度目の新学期を迎えた。
「うわー、やっぱり混んでるね」
まだ咲ききっていない桜の木の下を歩いていると、後ろから聞き慣れた声が聞こえた。
「おはよう、マキ。意外に早いね」
「おはよ、ハル。混むかなって思って早く来たんだけど、あんまり意味なかったかも」
マキはそう言って無邪気に笑った。
彼女は小沢舞姫。
私とマキは11年同じクラスという奇跡の腐れ縁。
今日はその記録を更新する日。マキと別のクラスになるなんて考えられないけどね。
「んー、やっぱり見えないわ」
マキは人集りのできている掲示板を覗きながら言った。
「これはやるしかないか」
「そうだね……」
私とマキは覚悟を決めて人混みの中に飛び込んだ。揉みくちゃにされながらもなんとか一番前に辿り着いた。
「えーっと……」
1組から順に自分の名前を探していく。
『小沢舞姫』
「あ!マキみっけ」
5組のところでマキの名前を見つけた。
そのまま目線を下にズラしていくと、案の定私の名前があった。
『西島春架』
「やっぱり同じクラスだ」
自然と笑みが零れる。
戻ろうと思って最後にもう一度自分の名前を確認すると、一つ上の名前が目に付いた。
『勅使河原英里』
勅使河原さんと言えば、昨年の冬に転校してきて、瞬く間に学校1可愛い女子の座についた噂の美少女だ。
そんな人と同じクラスだなんて!ぜひとも仲良くさせていただきたい!
そんなことを考えながらまた人混みを掻き分けて掲示板前から脱出した。
人の波から解放され、さっきマキと別れた場所まで戻るとすでにマキが待っていた。
「おかえりー」
マキはニッコリと笑いながら手を振っている。
「今年も記録更新!」
2人とも「やったね」と言いながらハイタッチをする。そしてこの奇跡に笑いあった。
こうして私たちの高校生活最後の一年が幕を開けた。
「うわー、やっぱり混んでるね」
まだ咲ききっていない桜の木の下を歩いていると、後ろから聞き慣れた声が聞こえた。
「おはよう、マキ。意外に早いね」
「おはよ、ハル。混むかなって思って早く来たんだけど、あんまり意味なかったかも」
マキはそう言って無邪気に笑った。
彼女は小沢舞姫。
私とマキは11年同じクラスという奇跡の腐れ縁。
今日はその記録を更新する日。マキと別のクラスになるなんて考えられないけどね。
「んー、やっぱり見えないわ」
マキは人集りのできている掲示板を覗きながら言った。
「これはやるしかないか」
「そうだね……」
私とマキは覚悟を決めて人混みの中に飛び込んだ。揉みくちゃにされながらもなんとか一番前に辿り着いた。
「えーっと……」
1組から順に自分の名前を探していく。
『小沢舞姫』
「あ!マキみっけ」
5組のところでマキの名前を見つけた。
そのまま目線を下にズラしていくと、案の定私の名前があった。
『西島春架』
「やっぱり同じクラスだ」
自然と笑みが零れる。
戻ろうと思って最後にもう一度自分の名前を確認すると、一つ上の名前が目に付いた。
『勅使河原英里』
勅使河原さんと言えば、昨年の冬に転校してきて、瞬く間に学校1可愛い女子の座についた噂の美少女だ。
そんな人と同じクラスだなんて!ぜひとも仲良くさせていただきたい!
そんなことを考えながらまた人混みを掻き分けて掲示板前から脱出した。
人の波から解放され、さっきマキと別れた場所まで戻るとすでにマキが待っていた。
「おかえりー」
マキはニッコリと笑いながら手を振っている。
「今年も記録更新!」
2人とも「やったね」と言いながらハイタッチをする。そしてこの奇跡に笑いあった。
こうして私たちの高校生活最後の一年が幕を開けた。