0.39メートル
四日後
釣った魚に餌はやらない。やるとしたら、もうずっと前から決めていた。

無理矢理捻り込んで、開かせて、流し込んで、飲み込ませて、壊れる寸前まで追い詰めてやる。

このいきものに出会って自覚したときに決めた。

人生の目標だとか将来の夢だとか、そういう陳腐なものとして表現するのも、あながち間違ってはいない。
ただ、その先を余り今は考えられない。

手に入ったと、この手に確かに掴んでいるのだと実感が、まだ、まだ出来ない。足りな過ぎる。

自分のこの手の胃袋は、詰め込んでも詰め込んでも空腹で鳴き続けている。

狂ってるみたいに叫び続けているのだ。
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