あなたの後ろで
「そちらは・・・?」

硬くなった表情と硬くなった言葉で必死に聞く自分。

あのとき、本当はもう解っていたのかもしれない。

この恋の火が消えかかっていることを。

「あ、こっちは俺の彼女ww。言ってなかったっけ?中2から付き合ってんだぜ?」

「え、あーそうなんだ」

知らなかった。

だってそんなこと一言も言ってなかったのに。

「そぅ・・・・。あ、あたし千佳待たせてるから帰るね!」

「え?うん。また明日なー?」

そのときはすでに、下を向いて一心不乱に走っていた。

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