あなたの後ろで
その日の帰り道、千佳に別れを告げて一人で歩いていた。

そのとき、、、

「ぅわ!」

いきなり細い路地裏から飛び出してきた横田利樹。最初、あたしに言ったのではないと少し驚いたが、そのあとあたしに言ったのだと気付いた。

「え、何?」

「んー?待ち伏せしてたぁ」

「何であたしを?」

「やだなー冷たいなぁ・・・一緒にサボった仲なのにさぁ?」

細目であたしをジィっと見つめる横田利樹。

えぇ!?てゆうか起きてたの??

動揺を隠そうとして下を向きながら反論した。

「なにそれ!違うし。あんたが勝手にしたことじゃん!」

「でも、普通振り払うよねぇ?」

ムカツク・・・

「力強くて無理だっただけだょ」

力なく語尾が下に落ちていった。

< 8 / 84 >

この作品をシェア

pagetop