夏海(15)~ポケットに入れてるだけの電話が勝手に電話することってあるよねー

じょうが あかり様のカメラ

私はソファから腰を上げると、フローリングの床を蹴って跳んだ。

それから、右足でガラスのテーブルを、

左足で熱唱する秋の背中を踏み越え、

ベストポジションまで自分の身体を持っていくと、一気に新日本プロレスのシャツを着た男の太い首を両膝で捕らえた。

宙から落下する自分の上半身の反動を利用して、男の頭を巻き込んだまま、後転。

私は床に叩きつけられる前に床に腕を付き身体を安定させ、膝に力を込めると、踏み越えてきたガラステーブルに男の頭を叩きつけた。


逆さまの世界の中、

男の身体がガラスのテーブルにめり込み、

ガラスがゆっくり砕け、破片が飛び散る。


男の頭から膝を離し、私が後転を完成させた頃には、男の上半身がガラスのテーブルから床へと突き刺さっていた。

その間、わずか2秒弱。

男が自分の身に何が起こったか気がつかないほど、私のクイック技は完璧に決まった。

ちなみに、秋もカエルのような声をあげて、その場に平べったくなっていた。

大都会のメロディーだけ、空しく流れる。





って、ごめん、秋まで倒しちゃった☆
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