夏海(15)~ポケットに入れてるだけの電話が勝手に電話することってあるよねー
力ナ。さんは、よけずに左のほほを差し出したかのような態勢のまま少し笑った。



「もう いいかな?」


力ナ。さんは私の手をそっと握った。
小さい青白い顔、左の頬だけが赤くなっていた。



「悪かった。 私の点数稼ぎのために、」

力ナ。さんはグレイがかった目で真っすぐに私の目を見据えながらいった。

私の中の何かが壊れた音がして、思わず目をそらしてしまった。



「本当にキミにはつらい思いをさせたね」

無意識。 無意識。 思考停止。

無意識の中に焼きついたイメージだけが浮かぶ。

その瞬間に口走る「な、なめんじゃねぇゾ てめぇ!」体がひとりでに動く、

渾身のギャラクティカマグナム(右ストレートね)はまたも力ナ。さんの左の頬をイメージどおり完璧にとらえた。

右の拳が左の頬にあたった状態で、いや、左の頬で受けきった状態のまま力ナ。さんは「もう いいかな」と言ったあと、束ねた腰まである長い金髪を振り、

取り巻き二人とともに


 ●
○ ○

↑こんなかんじの陣形で去っていった。



私は、ヒザをつき


真っ白になった


ここにきて


初めて泣いた。


つぎから、つぎから

溢れた。


あわてて、立ちあがり、

毎日と同じような作業をするため持ち場に戻ろうとした。

顔を見られるのがハズいので、廊下ではなるべく壁を向いてカニさんのように移動した。


拭くのは恥ずかしいから、そのままにしておこう、作業もいつもとおなじようにやろうと、流れる涙をそのままに豚の飼育をした。


と、そこに大きなブタが寄ってきた。

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