フェアリーテイル~キミとオレとの約束~
「おっはよー!芹沢ぁ!」
「なぜ、ここにいる。」
「なぜって、迎えに来たに決まってるでしょ?」
「必要ない。先に行け。」
冷たいなぁ…そうふざけ半分で言って芹沢の手を引っ張る。
小さくて、柔らかい手だった。
「海乃、そっちは学校と違う方向だ。聞いているのか。というよりなぜ迎えに来た。今までこんな事をしなかっただろう。」
芹沢はオレの手を引っ張って止らせる。
表情はない。まさに鉄仮面だ。焦っている様子もない。
「コンビニよろう。食べてないんでしょ?昨日から、ね?」
「盗聴器でも仕掛けているのか。」
「オレがそんな人間に見える?つか図星?」
ニコニコと笑ってみせる。
芹沢には効かないけど、むっつりしているよりは気持ちがいい。
「私は盗聴器を仕掛けたのか仕掛けてないのかを聞いている。適切に答えて。」
「隠密を放っているだけだよ。」
「相川か?」
「さぁ?どうだろ。当ててみてよ。」