フェアリーテイル~キミとオレとの約束~
『―ようこそ我屋敷へ。といっても、何もないのだがな。―』
「おじゃま致しております。シルキーの長。」
『―長などと…わらわはまだ500と60しか生きておらぬ。―』
「それでも、長は貴女のでしょう?」
『―まぁ、そうなるの。―』
シルキーの長の屋敷は森の中にあった。
屋敷といっても、壁がなく、樹の葉でできた屋根が広く広がっているものだ。
どこからか拾ってきた『人間』のテーブルにイス。はたまた何に使っているのか分からない子供用のオモチャまであった。
『―幽霊狩りはここまでこぬ。王が結界を張ってくれたからの。―』
「結界…?わたし、入って来る時何ともなかったのだけれど。」
『―そなたは妖精が見えるのであろう?それに、王子もいる。―』
「そういえば、いくら汚れなき娘だからって、妖精が見える事なんてあるのか?」
『―王子、分からぬのか?いや、気付いてないのか…まぁよい。それはいずれ旅をしているうちに分かろう。それよりも、呪いだったな。―』