フェアリーテイル~キミとオレとの約束~
シルキーは大木の根に腰を落とし、ヨセフを見た。
『―何の呪いか、は分かっておるな。第2の呪いを、解いたのであろ?―』
「はい。」
『―なら、そなたが何をすればよいかも、分かっておろう?―』
「ゴブリンはまやかしを、ブラウニーは記憶を、シルキーは義務を、バンシーは勇気を、メロウは…魔力を。」
「なにそれヨセフ。」
「僕が妖精達に封じられた王家の証達だよ。」
ヨセフはほほ笑んだ。
ここでアンは、不思議なことに気がついた。
「ねぇ、なら、わたしは何のためにいるの?」
『―そなたはいずれ王子を解放するためにおる。
そなたの心が綺麗なだけで妖精が見える訳ではない。
そなたの先祖はおそらく妖精族。
どこでどうその血統が重なったのかは分からぬが、そなたは妖精の血を王族並に濃く引いておる。
メロウに対抗するには魔力がいる。
妖精の血を引く王族には魔力があり、同じくらい濃い血を引いているそなたにも、また魔力が宿っておろう。
最後のメロウで、王子を助けるためにそなたはいるのだ。―』