フェアリーテイル~キミとオレとの約束~


女子の1人がそう叫んだ。


すると周りにはあっという間に人だかりができる。


ハッと気を取り直して立ち上がり、私は人だかり(主に女子)を散らさなければならなくなった。



「近隣住民の迷惑になります。速やかに校舎内へ入ってください。」


「はぁ?あんた何様のつもりなの?1年のくせして生徒会長までやっちゃって…」


「この学校の生徒会の組織は先生方の推薦によるもの。1年だとか2年だとかは関係ありません。先輩方がよくご存じなのでは?」




上級生達がさらに文句を言おうとブツブツ呟いていると、




「あー、皆さん、あの、中に…入ってくれませんか…?」




校内では乙女男子と認識されている女顔の海乃が涙を瞳に貯めて上級生に訴えた。


たぶん心の中では号泣しているに違いない。


なにせ海乃は宮様トリオがトラウマになって上級生が怖いらしい。




「あら…どうなさいましたの?皆さん。」




そしてトラブルとは、時にして一挙におこるものである。




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