フェアリーテイル~キミとオレとの約束~
「当ててみて…か、またそれだな。私は依然どこかであなたと会いましたか?」
「お、口調がちょっとやわらかくなったね。さ、ちゃっちゃと朝ご飯選ぼ!」
コンビニに入る。
コンビニのなかはこの暑さに先駆けてクーラーをつけているらしく、涼しかった。
「海乃、手を離して。邪魔です。」
「えー!いいでしょ?恋人みたいで。」
「笑わせないで。悪い冗談です。」
きっ、と睨み付けられて仕方なく手を離す。
芹沢は適当にパンを見繕ってカゴにほうり込み意外にもアイスも1つ買った。
オレは今日の昼ご飯のパンを探す。購買で買ってもいいんだけど、オレが行くと騒ぎになるから、いつも朝に買う。
ひょっとしたら、相川先生よりもオレの周りは騒がしいかもしれない。生徒な分、文句は言われないけど。
「早くして海乃、遅刻する。」
「ねぇ、この『いちごミルクパン』と『極甘クリームたっぷりディニッシュ』どっちがいいかなぁ…」
「それを聞いて来るのは私への嫌がらせなの…?」
微妙に眉を寄せて困惑している表情を見て、ちょっとうれしくなった。