フェアリーテイル~キミとオレとの約束~


「当ててみて…か、またそれだな。私は依然どこかであなたと会いましたか?」


「お、口調がちょっとやわらかくなったね。さ、ちゃっちゃと朝ご飯選ぼ!」



コンビニに入る。


コンビニのなかはこの暑さに先駆けてクーラーをつけているらしく、涼しかった。



「海乃、手を離して。邪魔です。」


「えー!いいでしょ?恋人みたいで。」


「笑わせないで。悪い冗談です。」



きっ、と睨み付けられて仕方なく手を離す。


芹沢は適当にパンを見繕ってカゴにほうり込み意外にもアイスも1つ買った。


オレは今日の昼ご飯のパンを探す。購買で買ってもいいんだけど、オレが行くと騒ぎになるから、いつも朝に買う。


ひょっとしたら、相川先生よりもオレの周りは騒がしいかもしれない。生徒な分、文句は言われないけど。



「早くして海乃、遅刻する。」


「ねぇ、この『いちごミルクパン』と『極甘クリームたっぷりディニッシュ』どっちがいいかなぁ…」


「それを聞いて来るのは私への嫌がらせなの…?」



微妙に眉を寄せて困惑している表情を見て、ちょっとうれしくなった。


< 11 / 232 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop