フェアリーテイル~キミとオレとの約束~
◇沙門◇



『セ・ラ・ヴィ』とは、よくできた名前だ。と入った当初そう思った。



フランス語で『それが人生』の意味。


なんともシャレている。



「なぁ、沙門。お前本気な訳?」


「もちろん。奏(カナデ)。評判が落ちるような事、俺がすると思う?」


「そりゃそうだけど…相手が相手だろ?マジかどうか、確かめたくもなるって。」


「奏が芹沢さんについてあまり知らないからそんな事言えるんだ。」


「別に俺だけじゃなくてもみんな言ってるだろ。とくに甘利とかがさ。」

「好きなんだ。芹沢さんが。本気で。」


「鉄仮面女だぜ?」


「最近、ちょっとだけ笑うようになった。」


「見た事ねぇよ。」


「見なくていい。俺だけの秘密なんだから。」




朝からみんなずっとこんな調子だ。


女子は悲鳴をあげ男子からは好奇のまなざしを向けられメンバーからは本気かと尋ねられる。



勘弁してほしい。


つーかうっとおしい。


マジだって言ってんじゃん。




「しかし先輩もやることハデですね。校門前しかも朝の風紀チェック中にちゅーでしょ?」


「その時の鉄仮面女の顔、見てみたかった…」




『セ・ラ・ヴィ』の1年生2人がそうぼやいた。


1人は髪の毛の色が青でドラムを担当している相模 哲(サガミ テツ)


もう1人は黒髪短髪の清純派。ベース担当の小森 カズマ(コモリ カズマ)だ。




< 118 / 232 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop