フェアリーテイル~キミとオレとの約束~
「…あなたは甘党だと思っていたけど、どうやらそうではなく極甘党みたいね。砂糖の化身みたいなアイスで喜ぶなんて…」
どうやらドン引きされていた訳ではないらしい。
ちょっとホッとした。
そう。オレは極甘党だ。紅茶やコーヒーには味が変わるほど砂糖を入れ、パンはクリームかイチゴ味がついていなきゃ嫌だ。
それとこの女顔が拍車をかけて乙女系男子という不名誉な称号を承りたもうた。
「早く食べなさい。溶けるし、学校についてしまうでしょ。」
「あ、そうだな。」
パクリとかき氷を限界までスプーンですくって頬張る。
おいしい。
「…ねぇ、私があなたと会ったのって、ひょっとして小学校の頃?」
「急にどうして?」
「私の頭の中で、あなたに関して何かがうずくの。でも、分からない。なら、そうかなと思って。」
「それがどうして小学校なんだ?」
芹沢は一瞬迷って(←表情からは分からないから多分だけど)、言った。
「小学校の頃の記憶が無い。なにも覚えていないんだ。」