フェアリーテイル~キミとオレとの約束~




「黙って、見てるだけのつもりだったんです。最初は。なのに…どうしてかな。」


「大体察しはつくけどな。お前と真希は小等部からの繰り上がりだからな。…知ってたんだろ?真希の事。」




こいつも、真希の本当の姿を見ていた1人。



この桜翔学園は、幼稚舎から大学部まで、お嬢やボンボンの面倒を見る学校だ。



ただ、大学まで一貫で行けるのは相当の金持ちで、学力も十分じゃないといけない。


この高等部で、小等部からの持ち上がりは全体の約20%にも満たないだろう。




「まいったな…まさか、小等部に翔がいたなんて知らなかったなぁ…」


「9年前までだから、小5までいたんじゃねぇの?まじで知らないわけ?」



普通、分かりそうなもんだけどな。




「さぁ…でも、会長も俺の事気付いてないみたいですし。まぁそれはしょうがないんですけどね。俺、けっこう暗かったし。ガリ勉でね…。」


「へぇ…それで、変わってみようと思って今に至る、か。…変わり過ぎだろ。」




現在の狩野はサボり魔でサイテー女たらしに『バージンブレイカー』というあだ名までついている。


伝説ではバージンを奪われた少女はもう30人を突破しているとか…




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