フェアリーテイル~キミとオレとの約束~



そんな父さんと母さんが出会ったのはやっぱりホストクラブでだったらしい。



お互いが一目ぼれ。



ホストが客に執着するなんて普通はありえないんだけど。


そうだったらしい。




「母さんどこ行ったんだろ…」


「娘のとこだろ。ほら、あの官僚の。」




は…?




「ちょっ、それまさか芹沢さんのとこじゃ…」


「あぁそうそう!芹沢の娘んとこだ。」




えぇー!?軽ー!


軽すぎだろ!



母さんが芹沢さんの存在に気付いたのは、彼女が入学してすぐのことだった。


自分の娘を、母さんは忘れてなんかいなかった。

生徒会長としてPTAの人達に挨拶しにきた姿を見て、確信したらしい。



会いたい。でも、芹沢の家には、いけない…



そんな苦悩をあのか細い母さんが抱えているのを知っていたから、俺は芹沢さんが寮に住んでいることを教えた。



まさか、会いに行くなんて。




「沙門さぁ、ひょっとして芹沢の娘が好きなの?」


「はぁっ!?」


「ずーぼーしーだな。」



うっ…




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