フェアリーテイル~キミとオレとの約束~
なりふりかまわず生徒会長室に閉じこもった。
久しぶりに会った母様は、記憶にあるはかなげな顔そのままで、
あたしとは正反対だった。
「ふっ…くっう…」
止まらない。
涙が止まらない。
哀しみが止まらない。
「かいちょ?おーい、かいちょだろ?」
「狩野…?」
いくぶん戸惑い気味の口調。
そうか、さっき助けてくれたのは、狩野だったんだ。
気付かなかった。
「何があった訳?芹沢。」
「別になにも…?」
「随分泣いているみたいだけど?」
「気のせいでしょ。」
「なら入っていい?俺書類届に来たんだけど?」
「ダメ。入ってこないで。」
「どうして?」
「来て欲しくないから。」
「それじゃあ納得できねぇな。」
ドア越しの狩野は、いつもとちがっていた。
なんていうか、しつこい。
「別に狩野に納得してもらわなくてもいいもん。」
「もんって…芹沢そんなキャラだっけ?」
「残念ながらそんなキャラでした。」
「いいねぇ。可愛い。」
だまれこのエロ親父。