フェアリーテイル~キミとオレとの約束~
賀宮 康祐は言葉を濁した。
困った顔で聖宮を見る。
聖宮はつまらないとでも言いたげにフーと溜め息をついて、
「まぁ、いいでしょう。わたくし、お手洗いに行きたいの。ちょっと失礼しますわ。」
ん…?
そう思った瞬間にはもう聖宮の後ろ姿がドアから消え去っていた。
部屋の中には、俺と、賀宮 康祐だけ。
うぉぉぉぉぉい!
何してくれてるんだよ聖宮ぁ!
「えーと、気付かなかったけど…どちらさま?」
「桜翔高校化学教諭の…相川 裕です。」
「桜翔高校の…相川?」
「はい。そうです。えーと、その…」
なんて言えば良いんだよ…
心の底からヘルプミー!
「雪乃ちゃんが無理矢理連れて来たんだろ?あの子はちょっと強引なとこがあるから…」
「はぁ、まぁ。」
賀宮 康祐は確か今年で28歳。
俺とは4歳違いか…
年はけっこう近い。