フェアリーテイル~キミとオレとの約束~
「えーと、賀宮さん。出過ぎた真似かも知れませんが、俺から一言いいですか?」
「え…」
「ふざけんな。」
「は…?」
「ふざけんなよ。世間知らずのお坊ちゃま君が。なんだよ、さっきから聞いてれば俺が十和子がって、じゃあ聖宮はどうなるんだよ。あんたの慰み物になるってのか?ふざけんな、あんたまだあきらめきれてねぇじゃん。賀宮もまだあきらめてないぞ絶対。心は必ず移ろうよ?だけど、それを今疑って、怖がってどうする?逃げてどうする?あきらめきれないまま目の前から知らないヤローがかっさらっていくのを、あんたは黙って指くわえて見てられんのかよ、俺はできないね。できないから教師になってでもあいつのそばにいるんだ。あきらめきれないから……………!!!!!!」
一息にそこまで言ったから、息が上がってしまいしばらく荒い息を繰り返す。
唖然としている賀宮康祐を睨みすえて、言葉を続ける。
「あんたは、あきらめられるのか?
あんたは、いつか来るかもしれないその未来を、黙って見ていられるのか?
行けよ!男だろ!!」
俺がそう言った瞬間、賀宮康祐は疾風のごとく部屋から駆け出した。