フェアリーテイル~キミとオレとの約束~
「ウサピョン可愛いよ!いーじゃん!」
「可愛い可愛くないは今関係ないのっ!」
「日下部!可愛い方がいいよね!?」
「えぇっ?えっと…は、はい…?」
余計な事を言うなぁ!日下部!
あたしは気の弱いいたいけな少女に初めての殺意をいだいた。
さっきから相川が「ウサピョンが~…」とうなされている。
恐るべしウサピョン。
あたしは翔の書いた新聞に目を落とした。
ふと、あるウサピョンに目を止める。
『おさぼりな書記さん、はやく仕事しろピョン。』
ウサピョンから出ている吹き出しにそう書いてあった。
「翔…これ…」
「ん?あぁ、正春来ないから、こうすれば来るかなぁって…」
照れたように翔は頭を掻いた。
まぁ、翔らしい。
直接言うことはしないで、
分かりにくいメッセージを時折発信する。
実に翔らしい。
嫌いじゃない。