フェアリーテイル~キミとオレとの約束~
アンは美しい妖精をこれまでたくさん見て来たが、ルナはその誰にも負けない美しい銀髪を持っていた。
しかも、その銀髪は炎のようにゆらめいて、そのあまりの美しさはアンの思考をめちゃくちゃにかき乱す。
ゆらゆら…ゆらめく…不思議な…
『―そなた…サラの娘か?―』
「母さんを知ってるの?」
サラ、という名前に反応して、アンは正気を取り戻す。
…そんなアンを見て、ヨセフが小さく吹き出したことは、アンは知らない。
『―サラは…サラは、行方不明の…サラージュ・アッシュ・ルナ・フェアリー…つまり…―』
「妖精貴族…!しかも妖精公爵家の、王族と血縁のある…!?」