フェアリーテイル~キミとオレとの約束~
「ルナ、どういうことか教えてくれ。なぜサラージュさまが…?」
『―王子、こちらの質問が先ですよ。―』
ヨセフはしぶしぶ黙る。
ルナ・フェアリー家は王族の分家だ…かなり血縁は濃いが王や僕にはとうてい………
ヨセフは黙っているアンにじりじりしながら必死で考える。
王族の…王子で…行方不明になったのは…誰かいたかな…くそっ、分かんない…
「レイ父さん、は…元気ですよ。」
『―そう。良かった…―』
「レイ父さんも…妖精なの?」
『―いいえ。レイは妖精じゃない。彼はね…―』
「レイナール・アッシュ・クライスト・フェアリー…僕の…叔父様…?」
ルナはそうつぶやいたヨセフを見て、悲しそうに眉をひそめてほほ笑んだ。
『―そう、レイは私達ルナの守護貴族であり、我が一族の婿。王がそう決めた。―』