フェアリーテイル~キミとオレとの約束~



誰かがそう言った。


ルナじゃない。


ルナは口をほほ笑みの形に保ったまま黙っている。




『―ルナイージュ、余計な事を言ってくれたな。―』


『―あら、アンバー、やっと出て来たのね。元気してた?―』




フワリ…と今度は深い緑の瞳と長い白い髪を持った16、7歳ぐらいの少女が現われた。


アンバーとルナに呼ばれた彼女は見た目のわりには荘厳で、それなりの年数を重ねた雰囲気を出している。




『―そなたの娘、もうそろそろ成人であろう。用心した方がよいぞ。ここら辺はまだアイザック王が視察しに来ておらぬ。―』


『―そうですね…それでは私はお暇させていただきますね。王子、巫女様、御機嫌よう。―』




なんだかよくわからない内にルナはまだ気を失っている娘をつれて川面に移っている月の中へ入って行った。



後には、途中から割り込んで来たアンバーとかいう妖精とアンとヨセフが残る。




『―王子に巫女、なにをボケッとしておる。行くぞ。話の続きを聞きたいであろうからの。まったく、ルナイージュも余計な事をしてくれた…―』



アンバーはそう言うと、魔法をかけて、アンとヨセフを湖までいざなった。








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