フェアリーテイル~キミとオレとの約束~
『ねぇ!ほら美人系なんだからさぁ、笑ってみなよ!』
『笑う…?』
『笑えないなんて事言わねぇよな?』
『さぁ…』
『さぁ…って、オイ!えぇい、こうしてやる!』
『ちよっ、や、やめてよ!相川さん!』
『裕君って呼んでくれたらやめる。』
『はぁ?何言って…もう、やめてください!バカですかあなたは!?』
『はいはい、俺はバカですよ偏差値70のバカですよーだ!』
『何開き直ってるんですか。』
そう言って、彼女は一瞬、俺に向かってほほ笑んだ。
9歳の年の差の事なんて、一瞬で吹き飛んだ瞬間だった。
あれから、4年。
彼女はいまだ笑わない。
体もボロボロで、もうそろそろ長袖は暑いのに、きっちり袖のボタンまでとめた長袖のワイシャツを着ている。
助けてあげられなくて、
ごめん。
あと、もう少しなんだ。
君が16歳になるまで。
それまで、どうか。