フェアリーテイル~キミとオレとの約束~
アンは話を理解しようと努めた。
えーと、つまり、わたしは王族と同等の血筋を持っていて、1000年に1人の巫女で…
ま、魔術師?に対抗する人って事…?
アンはあれこれ考えている内にすべてが繋がった気がした。
怯えがちに自分を見る両親。
毛色が違う自分の身体。
明るい奇妙な緑の瞳。
「あー、そっか…そうだったんだ。」
「アン…?」
「なぁんだ、そうだったんだ!やっとわかった。」
アンはアンバーに向かって、
「ね、父さんと母さんは、わたしを魔術師から隠す為に、逃亡したんでしょ?」
アンバーは少女の顔に大人の笑みを浮かべると、
『―さよう。そなたの冒険を嫌ったも、そなたが魔術師と出くわす様な事を避けるため。―』
「じゃあ、アンバー、わたし、どうすればいいのかな…?」
『―それはそなたが決める事。どの道を選ぼうと、私はそなた達を見守るしかない。それが私の役目だ。―』
そっか、アンは繰り返す。
やっとわかった。
あの時、ルナが誘拐されかけていたあの時、とっさに駆け出していた理由。
父さん母さん、
ごめんなさい。
わたしは、与えられた運命をまっとうします。
守りたい、すべての物のために。