フェアリーテイル~キミとオレとの約束~


「網膜前黄斑線維症は…ガラス体と網膜の間に膜が出来ることで、視力がよわくなったりとか、モノがブレて見えてしまう病気です。」




眼科医の先生は、あたしに眼球の断面図を使って説明した。


エリックあたしの後ろで腕を組んで壁にもたれながら話を聞いていた。


翔は、待合室であたしの帰りを待っている。




「原因は不明です。そういう病気なんです。しばらくは様子見ですが…場合によっては手術です。」


「網膜芽細胞腫ってことはないのか?」




エリックが医者に尋ねた。



あたしはあたしで、ほっとしていた。


どうやら、難しい病名だけどそんなに悪くはないみたい。


だけど、




「エリック教授、網膜芽細胞腫は乳児のなるものです。しかし、芹沢さんは…角膜潰瘍も併発していますから…」


「角膜潰瘍!?聞いてないぞ!」


「さっきでましたからね。検査結果。」




飄々と眼科医はそう答え、こんどは角膜潰瘍とやらについて説明してくれた。







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