フェアリーテイル~キミとオレとの約束~


「残念だけど、ジュニア、この日本にはアイバンクの登録者数が少ない。特にマキは命に関わるわけじゃないから、優先順位は…そう高くはない…」




エリックの説明を、オレは夢遊状態で聞いていた。


真希が寝た後、オレはエリックに真希の病気の説明を受けた。



オレがほぼ無理矢理エリックから聞き出した。


なぜなら、診察室から出て来た真希から、表情が抜け落ちていたからだ。


まるで、鉄仮面をかぶったみたいに。



冷たく、虚無な、あの無表情に。



エリックから説明を受けて、オレは納得…と言っては齟齬があるものの、なんとなく、腑に落ちた。



角膜潰瘍



角膜が組織欠損する病。

真希の場合、組織欠損後に治癒したものの角膜白斑(カクマクハクハン)を残し、運悪くそれが瞳孔近くに起こりいちぢるしい視力障害を引き起こす。


要は角膜で感染症をおこしそれが真希の視界を邪魔しているという事だ。


だけど、問題はここからだった。





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