フェアリーテイル~キミとオレとの約束~
†01† ゴブリン
アンは好奇心旺盛な村娘。
冒険好きで、村の子供達は誰も着いて行けず、アンに友達はいなかった。
ある日、村の中にある絶対に入ってはいけないと言う妖精の森で1人で遊んでいると、1人の男の子が現れた。
「だぁれ?」
アンはつい気になって聞いた。村ではみかけない、綺麗な青い瞳をしていたから。
「ヨセフ。」
「村ではみかけないわね?どこから来たの?」
「わからない。でも、ゴブリン達にイタズラされて、出れなくなった。」
「ゴブリン?」
「妖精だよ。僕の青い瞳が気に入ったらしくて、ほら、君の足下にいる奴だよ。」
彼が指差した通りに顔を動かすと、そこには小さい人型動物みたいな生き物が、アンの服にくっついていた。
「わからなかったわ。」
「妖精は気付いていないだけで結構身近にいるよ。でも君は不思議だね。気付いていないのに、自然と妖精達を避けてる。」
「そうなの?」
「たいていは、気付かず踏んじゃったりするんだ。」
「随分詳しいのね。」
「ここに来てもう3年経つからね。」
「そんなに?食べ物とかどうしてたの?服だって、そんなに汚れてないじゃない。」
「食べ物は妖精達から分けてもらってるし、服はレプラホーン達が作ってくれるんだ。」
そう言って、ヨセフはアンに笑いかけた。