フェアリーテイル~キミとオレとの約束~
「いないって言ってくれ日下部!後生だから!」
「えっと、相川先生は科学準備室に行かれましたみたいですよ。聖宮先輩。」
「あら、そうなの?わかったわありがとう。」
聖宮先輩が去った足音を確認し、さらに日下部に確認をとってから会長室を出た。
「じゅみょうがちぢんだ…」
「それはこっちのセリフなんだけど。宮様からあなたをかくまうの、かなり勇気がいるんだから。」
見つかったら五体満足でいられるか疑問だ。
下手したら国外追放か。
「サンキュー真希。助かった。日下部も、ありがとな。」
「い、いいえ。どういたしまして。」
「あまり面倒ばっか持ってこないで。」
まったく、厄介な従兄弟を持ったものだ。
私より相川のほうが年上にもかかわらず姉になった気分さえするんだから。
「悪ぃ悪ぃ。もっとうまくかわせるように頑張るさ。」
ポンと私の頭に手を乗っけて、相川は立ち去った。
なんとなく、私は相川の手が乗っけられた所を触ってみた。
本当に、
なんとなく。
その場所に、
なにかあるんじゃないかって、
思ったから。