フェアリーテイル~キミとオレとの約束~


『―人間の食べ物も運ばせてある。あとは、好きに使ってよい。明日また、わらわの所に来るがよかろう。―』


「ありがとう。シルキー。」


『―お前はまがりなりにも王子だからな。わらわ達を庇護してくれるアイザック王の息子だ。


もてなさぬわけにはいかんのだ。それでは、ゆるりと休まれよ。―』




アンとヨセフはどっからどう見ても人間の家に見える所に連れてこられていた。


ベッドがふたつに大きいテーブルがひとつ。


その上に山盛りの木の実や果物がのっていた。




「すごいわね。というかここ何なのかしら。捨てられた小屋?」


「シルキーの様子を見るのに王族がこっそり使う小屋だよ。この事は王と第1王子しか知らない。」




この国には妖精沢山住んでいる。


今でこそ見える人は少なくなったが、王族の…王の血を引くものは必ず見える。


なぜならこの国を治めた初代の王は人間と妖精の間に生まれた子で、


つまり、王族は妖精の血を多少なりとも引いているという事だ。




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