エンドレスラブ




それからの克哉兄さんは、

もう面白い叔父さんではなく

1人の映画監督にしか見えなかった。


だから私も小説家wakanaとして、
1つひとつの質問に答えた。



でも………




「でね、若菜がこーんなちっちゃかった頃から
ずうーっと本ばっか読んでてさ、
朝昼晩ヌキでソファから1歩も動かなかったんですよ。」


……こら。


「しかも眠くてウトウトしてるのに本だけは離さなくて…
どんだけ本好きなんだよッ!って思わず突っ込みましたよー。」


こらこらこら!!



訊きたいことが一通り終わったのか、

克哉兄さんは私の昔話をし始めた。


それはもうイキイキと。


克哉兄さんが結婚する前は、私を娘のように溺愛してたから
可愛かった小さい頃の私のことを語るのは朝飯前なのだろう。


「え、本当ですか?!」


…なぜかその話に喰いついてくる成美さん。

私はただ恥ずかしさを隠すだけ。


もう2人して…っ!!



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