エンドレスラブ
突然起こった下腹部の違和感。
これはもしや…いやもしかしなくても。
「まじでトイレ…行きたい。」
そうポソッと呟いた声は、
誰にも届くなく静かな廊下へと溶け込んだ。
本当はトイレを探したいけど探せば探すほど
スタジオという迷路に迷い込んでしまいそうな気がした。
誰か…誰か…っ!!
お腹を押さえながら強く念じると、
奇跡が起きた。
つきあたりの角から誰かが曲がってこちらへやってくる。
格好からして若い男性。
…スタッフさんかな。
私はもうこの生理現象を一刻も早く済ませるため、
初対面だとか礼儀だとかを忘れてその人へと近づいた。
そう…顔も、何も確認せずに。