エンドレスラブ
「若菜、いい?」
「あ…ハイ、もちろんです。」
それにしても、世良修吾から交換条件なんて…
これはあくまでも私の勝手なイメージだったけど
彼はタダで秘密にしてくれると思ってた。
そのほうが私と成美さんにとっては嬉しいけど、
さすがにそれは図々しい。
もし彼がタダでって言ってくれたら
こちらから交換条件を出すつもりだった。
世良修吾のイメージがだんだん崩れていく気がした。
あの時の王子様はなんだったんだろう?
「実は…若菜さんと2人だけの交換条件をしたいんです。
ちょっと…彼女を借りてもいいですか?」
えっ?!2人だけ?!
「なんですかそれ…っ、一体どんな条件出すつもり?」
成美さんがすかさず喰いつく。
たぶん成美さんは仕事に関わる条件を出してくるのだと思ったみたい。
「それは後から彼女に訊いて下さい。
…じゃあ…着いてきて?」
世良修吾が立ち上がり、ドアを開けて私を外へ促す。
そこに待っているのは
これからの私の心と体を大きく支配する
王子様に見える魔王だった―――