男前な彼女
「ふ~ん…」
そう言いながら、あたしをじーと見る。
ちょっと顔を歪ませて「確かにかっこいいな…まぁ…俺の方が……」とかなんとか、ぶつぶつ言っている。
お~い。聞こえてますよ~
呟くんならもう少し小さめにお願いしま~す。
あーあ…
ギャラリーも増えちゃって……
そろそろ、この場を離れた方がよさそうだ…
なんか、南は隣で目をキラキラさせてるけど……
「あんた、ずっとあたしのことみてるけど用はないの?」
「ん?まぁな」
「用がないなら、あたしはこれで」
あたしは上牧 大和とやらに背を向けて、教室へ向かった。
我ながら冷めてるなぁ…
でも、初対面なんだからこんなものかな…