男前な彼女
もう止まらない
◇*.・゚.・゚.・゚.・゚
◇*.・゚.・゚.・゚
--プルルルルル♪
携帯が鳴ったのは、あたしが布団を被って泣いていたときだった。
こんなときに誰だ、と思いつつ、
おもむろに携帯に手をのばす。
ディスプレイに表示されていた名前は……
【上牧大和】
こいつは…
まったく、すごいタイミングで電話をかけてくるな……
一瞬、無視をしようかとも考えたが、あたしは何故かそれをせず、
素直に電話に出た。
「もしもし……」
『もしもし?』
「何?」
『いや……ん?お前…泣いてんのか?』
「え……?」
な、なんでバレた!?
――分からない…
勘なのか、声から判断したのか……
どちらにしても、『もしもし』と『何』しか発していないのに、泣いているというのが分かるなんて……
つくづく、恐ろしいやつだ。
そんなあたしをよそに、
上牧は少し黙った後「ちょっと、待ってろ!」と言って電話をきった。
ちょっと、待ってろって…何?
上牧は一体、何をするつもりなんだ……?