男前な彼女
……というか…
「あんたもあんただよ!何でそんなびくびくしてるわけ?
そんなんだから、相手になめられるの!
正しいことしてるんだから、もっと堂々とすればいい!」
「ご、ごめんなさいぃ……」
さっきのきらきらした目とは違って、今度はうるうるさせている。
まったく、忙しいやつ……
「まぁでも、うるさいやつらをほっとかずに、ちゃんと注意するところはいいと思ったけどね」
「もうちょっと音量が小さければ、もっとよかったけど」と付け足す。
「え……」
浦河は、相当驚いた顔をしている。
急に褒めたから拍子抜けしたんだろうか…?
浦河は俯いてしまった。
どうしたんだろ……?
「高槻さん、ちょっと来て!」
「え?」
顔を上げた浦河は、あたしの腕を掴んで歩き始める。
「ちょっ…浦河?」
どこに向かってるのかわからないけど、人気のないほうに進んでいく。