男前な彼女
「離せって、言ってんだろっ!!」
あたしは乱暴に浦河の手を払いのけ、視聴覚室のドアに手をかけた。
その手の上に浦河の手が覆いかぶさる。
「俺、諦めないから」
あたしは視聴覚室から飛び出した。
そして走った。
……あんな…まっすぐな目でそんなこと言われたら……
…どうしたらいいかわかんないじゃん……
走っているせいなのか、やけに呼吸がしずらい。
やけに心臓がうるさい。
あたしは、何故 気付かなかった…?
あたしを見つめる浦河の瞳が熱を帯びていることに…