男前な彼女
俺様と王子様
それからというもの、上牧はちょくちょくあたしのところに来るようになった。
理由は分からない。
ただ、あたしは確実に上牧に目をつけられてしまったようだ――
「なぁなぁ、なんでそんなにかっこいいのぉ?」
「なぁなぁ、昼飯は何食べんのぉ?」
「お前を俺様の下部【しもべ】にしてやってもいいぞぉ?」
なぁなぁ、うるさいな!
つか、何だよ下部って!
誰がやるかそんなもん!
「あぁ、もううるさいな!」
あたしはいかにも嫌そうな顔をする。
「またまた~。ホントはやりたいんだろ?下部。」
だから、誰がするか!
お前の下部なんか!
自分から地獄に突っ込んでいくようなもんだわっ!