男前な彼女
きっと大丈夫
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あたしが家に帰ったのは朝9時。
あの後、上牧が離してくれなかったことは言うまでもない。
怒っているような、荒々しい上牧に圧(お)され、抵抗なんて無に等しく、
あたしは強引に抱かれた。
「咲夜ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「……朝陽…兄ちゃん…」
「お前、どこ行ってたんだよぉ!心配してたんだぞぉ!!」
家に帰った途端、朝陽兄ちゃんはあたしにすがりついて、泣きじゃくっている。
目の端で、海兄ちゃんが部屋の前であたしを手招きしているのが見えた。
「朝陽兄ちゃん、ちょっと待ってて」
あたしは朝陽兄ちゃんをなんとか離し、海兄ちゃんの部屋に入る。