男前な彼女
部屋に入ると、海兄ちゃんは勉強机の椅子に座り机に肘をついた。
あたしは床に座る。
「あの…海兄ちゃん…」
「この前の子?」
「え…」
「前、一度家に来たことがある…上牧君だっけ?」
「うん……」
どうやら、海兄ちゃんはあたしが朝帰りをした理由が大体 分かっているようだ。
――上牧のこと、覚えてたんだ…。
まぁ、ついこの間のことだから、当然のことなのかもしれないけれど…
「朝帰りとは……また、なんでこんなことに…?」
「………」
「兄さん、すごく心配してたんだよ。俺も心配してたけど…」
「…ごめんなさい」