男前な彼女
「昨日……咲夜ちゃんが浦河君と…抱き合ってるの…たまたま、見ちゃったの……」
「え……」
まさか……
「咲夜ちゃんは上牧君と付き合ってるのに変だと思って……上牧君にも話した…」
詩織だったんだ…
そういえば、視聴覚室の隣の部屋は、文芸部の使ってる教室だった……。
「本当にごめん!!」
詩織は申し訳なさそうに頭を下げる。
「いや、いいんだよ。事実だし……」
詩織は見たままを上牧に伝えたわけだから、間違ってない。
「……っでも!咲夜ちゃんと上牧君の仲が悪くなったりなんかしたら……私っ!」
「大丈夫」
自分でもびっくりするような言葉が口から出た。
「絶対に大丈夫だから」