男前な彼女
あたしは、南に浦河との事を話した。
「へぇ~……あの浦河君がねぇ……」
南が考え込むようなポーズをする。
「そんなことするようには見えないんだけどなぁ……」
あたしもそう思っていた。
見たのはあの日が初めてだったけど、いかにもひ弱そうで…
まさか、あんなに情熱的な告白をする一面があるとは思えなかった。
ふいに、南が何かに気付いたような素振りをする。
「咲夜、あれ」
南の目線の先にいたのは、浦河だった……
あたしの方をじっと見ている。
あたしに…用があるんだろうな……
「ちょっと、行ってくる」
あたしは南にそう言うと、席を立った。