男前な彼女




しばらくの沈黙。


少し湿った空気があたしたちの間を吹き抜ける。





あたしは浦河が話し出すのを待っていた。



あたしからは何も言えないから。






勇気を出したのか、浦河は口を開いた。




「あ、あの…俺、返事を聞きたくて!」


「……返事?」



返事…とは、告白の返事のことだろうか。



でもあたし、彼氏いるって言ったし…


しかも、「ごめん」とも言った気がするんですけど……






「いや、だから、前にも言ったように、あたしには彼氏がいて…」


「質問の答え、聞いてないよね」


「…え?」



浦河の目が変わった。



昨日の…


視聴覚室のときの目だ。







「上牧君のこと好きなの?」















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